解像度とデジカメラ選び2

解像度とデジタルカメラ選び

はたして、高解像命なんだろうか・・

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更新日 2011-11-17 | 作成日 2008-05-21

解像度とデジカメ選び 2

ベイヤー配列のセンサーには未来は無いのか

「解像度とデジカメ選び1」の最後で現在スタンダードとなっているCCD、CMOSセンサーの構造がベイヤー配列になっており、構造上ローパスフィルターが必要であること。

そのローパスフィルターこそが折角の高解像度画像をぼかす結果となってしまっていることをお話しました。

FOVEONと言うセンサーはベイヤー配列のように横並びにRGBの各センサーが並ぶのでなくフィルムのように3層になっているところが特徴で、そのためにベイヤー配列センサーのようにある色のセンサーのみ光を感じて隣の他の色のセンサーは光を感じないという事態が起こらないため、ローパスフィルターがありません。

つまりローパスフィルターによる光の分散と画像エンジンによる演算での補間がないためレンズのシャープネスがそのまま画像になります。

このFOVEONセンサーを搭載しているデジタルカメラは現在SIGMA社製のカメラのみです。メジャーカメラメーカーのカメラと比較すると機能や基本的なハードウェアの性能は見劣りする部分が多く、一般のユーザーにはお勧めできるものではありません。

しかし、ローパスフィルターのない解像感と演算による補間のない自然な発色は卓越したものがあり、実際にRAWデータを等倍で比較すると違いがわかります。

特に自然の景色等の草や木の枝など細かなディテールがあるもでは顕著です。

とは言えFOVEONにも弱点があります。構造上一番深い位置にあるセンサーにあたる光が減少するため光量不足によるノイズが発生しやすくISOで感度を稼げない点です。

FOVEONセンサーによるデジタル写真の魅力に触れてから、通常のセンサー搭載のデジタルカメラに興味を失っていました。LEICA X1というカメラが発表になるまでは。

LEICAのデジタルカメラはベイヤー配列のセンサーを使っていますが、ローパスフィルターをもたない唯一のデジタルカメラでした。

よって、細かなたてラインが並ぶ橋の欄干等が遠景にあるとモアレのような偽色が発生していました。撮影時にカメラの内部では出来るだけ、演算等による加工はしない。撮影後の現像処理段階で作者の意思で作品として加工する・・これがプロフェッショナルを対象とするカメラの在り方だとLEICAは考えているようです。

LEICA X1は Mシリーズのようにレンズ交換が出来ず、固定焦点のレンズを装備しています。またまたパナソニックのOEMかと思っていましたが、サンプル画像を見て驚きました。隅々まで解像度が高く、ISO高感度での発色や解像感もとても良い。

LinkIconLEICA X1 サンプル画像

「ひょっとしたら、ローパスフィルターを使ってない?」が素直な感想でした。ローパスフィルターを使っていないコンパクトデジタルカメラ登場?

・・・残念ながら違ってましたメーカーに問い合わせたところローパスフィルターは搭載してるそうです。

ローパスフィルター搭載カメラとは考えにくいほどの解像感、FOVEONセンサーではありえないほどISO高感度撮影の実用性。大いに魅力を感じます。

しかし同時に、X1と比べて他のコンパクトデジタルカメラに対して大きな疑問も生まれます。

ローパスフィルターが解像感の低下を招くという常識から逃れられない日本のメジャーカメラメーカーは、LEICA X1の解像感をどう説明するのでしょうか。解像感だけが描写力ではない?それはそうですが、答えになっていない。

様々な言い訳はあるでしょうが、技術大国、カメラシェア世界一の威信にかけて何とかしてほしいものです。

(文/中尾)

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